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2011年8月29日月曜日

バブル時代の超並列計算機

ネットを見ているといろいろな発見があるものです。
私が書いた論文がアクセスできるとは知りませんでした。
ちょうどもうバブルがはじけそな時でもあり、でもまだバブルの全盛期ともいうべき時代でした。(1993年、平成5年)
-----今考えるとよくもまあこんなもん作ったと思います。
開発費って考えると、すごい金額だったという気がします。

研究開発の1テーマでSIMD型超並列計算機(SM1)を私が所属していた某鉄鋼メーカーの研究開発部門でも開発設計、試作までしました。PE(プロセッサーエレメント)はゲートアレーでNECさんに作ってもらったものを1024個メッシュ構造に配列。とりあえずこの機会に概要だけをさらっと書いときます。  当時有名なものとしては、nCUBEとかコネクションマシンとかがありました。

フロントエンドは写真にもある最近は全くみかけなくなったSUNで、SPARC-CPUからコプロセッサー命令をフェッチしてきてSM1に送出しておりました。これが結構たいへんで、SUNのメインCPUボードを改造、CPUソケット部分を2階建てにするボードを作成。FPGAで当初は検討、でもスピードが間に合わず結局は、PLDになったような記憶があります。

フェッチしたコプロセッサー命令は、SM1のシーケンサーボードと呼んでいた制御ボードに入りここで組まれたマイクロコードを実行します。ここは、LISPとやらの言語を使って作ってたような。これは、50Mhzくらいで動作させていた記憶があります。この部分のハード、私が回路設計からやりました。

PEボードは、1台で16枚を実装 1024のPEという事は、32*32のメッシュで1枚の基板に64PE、1チップのゲートアレイで4PEでしたから、16個のゲートアレイを1枚の基板に実装。ローカルメモリーは、DRAMで1PEにつき1Mbyte更にPE間のネットワークラインも接続する必要があり、これも結構たいへんなボードでした。

PEには、8bit-ALUが存在し、乗算器もありました。これが同期していっせいに動作するもので、電源も信じられないくらいでっかいものを使いました。今考えるとバブルですね。

なので、写真のようなでかい筐体にSM1が完成しました。
SM1

それでも1PE1MIPSで1024個で計1024MIPSという計算をしてました。 当時は386とか486とかいう時代でしたので、これでもすごい速い計算機だという気がしてましたが、シングルCPUはあっという間に抜き去りました。でも後で、SIMD命令系をCPUに取り込んでいましたが、、、


SIMD (Single Instruction Multiple Data シムド[1])  アーキテクチャーもアプリを絞ると結構効率がいいはずで、RenesasさんもMX1なるものを出されておりますし。リコーさんも画像プロセッサLSI Riシリーズ出されてます。

汎用CPUの世界、かつてRISCなるものが、一世を風靡するのかと思いましたが、インテルがRISC思想を取り入れて世の中表面的には、86系が今でもまだ主流でしょうか?でもこのところのモバイル端末で使われているCPUはARM系?RISCチップがんばれ。でもどっちにしてもやはりクロックUpには、限界があるし、マルチコアを増やしても限界があるでしょう。

そうするとやはりFPGA的なアプローチ、動的再構成デバイスに時代はゆっくり傾斜していくでしょうか?



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